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2006年7月13日 (木)

DECO 夢二

若草の少女 竹久夢二 抒情画の領域で、一世風靡を果たした竹久夢二。杉浦非水同様に、アール・ヌーヴォー、アール・デコを作品に取り入れていきます。

木版画の制作、楽譜や表紙装幀、浴衣・半襟・手拭いなどの図案も手がけ、やはり図案集を著していくのです。

ですが、夢二も非水も芸術家、画伯と呼ばれる領域ではありません。夢二は画詩人、非水は、グラフィックデザイナーです。


Takehisa_yumeji

こちらは昭和の時代の作品。こちらは大正14年6月号『三越』の口絵「涼しき装い」です。アール・デコの世界ですね。全体的に淡いトーンは、これから先の時代である1960年代のカラーキャンペーン。

冷たく甘いトーンのパステルカラーを訴求をした「シャーベットトーン」を思い起こさせるような作品。


Umbrellas Viewed from Above
_「花見」 明治時代の作品で、ローダーコレクションの1枚である「花見」です。

ボストン美術館(Museum of Fine Arts, Boston )所蔵で、「Umbrellas Viewed from Above」というタイトルになっているはず。

ここには夢二の作品がかなりあります。


Dec-雪の風

大正13年12月号の婦人グラフ表紙『雪の風』(木版)です。フランス誌「Art Goût Beauté」(アール・グー・ボーテ)に影響を受けています。こちらは『世界でいちばん美しい詩 林古渓 「浜辺の歌」』から同じ構図を用いた夢二の「雪の日」をごらん頂けます。

夢二抒情画選集 上下感は、この作品がグレー色に刷られています。


竹久夢二展

三越百貨店の竹久夢二展のポスターです。
今年の新春に、福岡三越で開催された夢二展。7月9日から14日までは松山の三越で展示があります。知らない作品もあります。このポスターのタイトルがわからない。

夢二の作品に関心がある方には、下記サイトをおすすめします。

竹久夢二「アール・デコの世界」展
弥生美術館/竹久夢二美術館
レトロポリタン美術館 竹久夢二 「青い小径」(春陽堂) 


竹久夢二 この作品と同じ構図がありますが、この作品のタイトルが定かではありません。婦人グラフの「霜葉散る」に似ています。化粧をする風景にも見えます。こちらは海外サイトでお借りしたものです。

いまはリンク切れになってしまい、本文を拝見することも不可能となりました。日本のサイトでも紹介されていないようですので、あえて掲載。


婦人グラフ1巻8号口絵「愛の総勘定」

「愛の総勘定」です。オークションにもかけられています。ラビリンスを思わせる構図に、微妙な配色のなかにたたずむ女性。そしてタイトルの面白さ。夢二の描く女性には、人によっては好き嫌いがはっきりするでしょう。竹久夢二版画「婦人グラフ」1巻8号口絵は大正13年の作品です。

大正時代には、楽譜表紙の装丁もかなり手がけています。林古渓作詞の 「浜辺の歌」の楽譜表紙も夢二が装丁。その作品も掲載しています。こちらも、さきほどの『世界でいちばん美しい詩 林古渓 「浜辺の歌」』からごらんいただけますし、試聴もできます。

ほとんどがセノオ楽譜の表紙で、西洋音楽の普及に努めた妹尾幸陽が大正5年 から昭和2年にかけて国内外の名曲を集め出版した楽譜集です。たとえば歌劇「ホフマン物語」 オッフェンバッハ作曲 堀内敬三訳詩は「船うた」として出版されています。


Yumeji_zuan

縮刷 夢二画集 古書 夏目書房 

初版本、復刻版もあります夢二画集。右側がケースになっています。ちょど世界大戦の大正3年の出版ですね。

この翌年に、協議離婚をしながらも暮らしていた妻たまきと別れ、25歳でなくなる笠井彦乃と結ばれるのです。

夢二的美人のいくつかで、「立田姫」、「この夜ごろ」は変身抄からどうぞ。

「とーしさま」
コメントのプレゼントありがとうございます。気がつかなくって申し訳ありませんでした。

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コメント


><「とーしさま」
コメントのプレゼントありがとうございます。気がつかなくって申し訳ありませんでした

いえいえ,ほんの粗品ですが、・・丁寧なお返事ありがとさんです。今回の記事も読みでタップリで、感心させられています。

私の夢路発見はいつだったか・・・、殆ど興味を持っていなかったのですが、別冊の太陽でしたか、デザイナーとしての仕事を目にして、その凄い才能に認識を改めさせられたのでした。
デザイナーとしての私的ランキングでは、彼はトツプに位置しています。光悦に迫るくらいかなあ。現代のデザイナーで凌駕する才能は無いんじゃないか。何て、書きながら思いつくままの走り書きなので,その点御斟酌ねがいますが、ともかくデザイナー夢路万歳 ! ! ! と言う事で。


投稿: とーし | 2006年7月14日 (金) 10時17分

「とーしさま」 ようこそいらっしゃいました。

夢二のあとに夢二なし(だったかな)といわれるほどの『デザイナー夢路』なんですね。

抒情画といわれる趣向の作品のほかにも、アールデコ、ギリシャ風の作品などがありましたが、私がいちばん好きな夢二は、アールデコなんですよ。

「一夜の情け」という涙香の作品なんですが、古い時代の話ですから、とーしさんは涙香をご存知かどうか(現在40代後半の方々のご両親、ご家庭に育った方なら、ご存知かと)ですが、はじめて探偵小説といわれる領域を築いた方ですね。この人の装丁が夢二でした。「一夜の情け」は読みづらく(私の場合)、ストーリーが海外なのですが日本人ばかり登場する、ちょっと風変わりな読み物です。この口絵と装丁が魅力的なのですよ。

今度記事をアップします。JUGEMのほうで。

投稿: kafka | 2006年7月14日 (金) 23時59分

さりげない訂正、有難うございます。表示される夢路を、漫才師みたいだな、と思いながら書いていました。

涙香、高名なるも、私が読んだのは子供時分の「岩窟王」だけでした。ごっつうおもろかったなあ。
JUGEMというブログもお持ちなんですか。

投稿: とーし | 2006年7月15日 (土) 19時18分

とーしさま、こんばんわ。

「表示される夢路を、漫才師みたいだな、と思いながら書いていました。」

↑ とにかく、なんだが爆笑させていただきました。

ところで、わたくし、JUGEMのライフスタイルコンシェルジュ 記事「浜辺のうた」で、とーしさまにコメントを頂戴しました楓(ふ~)と同一人物でございます。

どうぞ、よろしくお願いします。先日、とーしさまのパートナーのBLOGに訪問させていただきました。

山頭火の句が思い起こさせるほどに、自然に密接した環境が、羨ましいです。すばらしいライフスタイルです。厳しい自然とたおやかな自然が交互にくるのでしょう。ぬるま湯な生活ではない、人間と自然の共生ですね。

投稿: kafka | 2006年7月16日 (日) 22時09分

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» 世界でいちばん美しい詩 林古渓 「浜辺の歌」 [Life Style Concierge]
成田為三の作曲は、美しい旋律を奏でます。林古渓の作詞の「浜辺の歌」を、よりいっそうに海の彼方へ誘います。 浜辺の歌 作詞:林 古渓/作曲:成田為三  あした浜辺を さまよえば、 昔のことぞ しのばるる。 風の音よ、雲のさまよ、 よする波も かいの色も。 ゆうべ浜辺を もとおれば、 昔の人ぞ、忍ばるる。 寄する波よ、かえす波よ。 月の色も、星のかげも。 堀内敬三・井上武士編『日本唱歌集』(1958 岩波文庫)より 初出の歌詞は、この岩波より4... [続きを読む]

受信: 2006年7月13日 (木) 12時27分

» 立田姫 [変身抄]
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受信: 2006年7月13日 (木) 12時41分

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玉勝間あはむといふは誰なるか逢へる時さへおもかくしせず。−「絵入歌集」より。 僕は生理的に夢二は受け付けない。特に「夢二的美人」は大嫌いである。 画伯と呼ばれることがない「絵」の世界を選んだ夢二。 だが、画伯への道を選択していたらどうだったのだろう。一世風靡をすることはなくとも、日本画家として名を残すこともできたのではないだろうか。その作風はきっと、この口絵のようにさりげなく、それでも鑑賞の余韻を残すに値する名作にちがいない。この口絵をみてそう思った。 関連記事 立田姫 DE... [続きを読む]

受信: 2006年7月28日 (金) 09時12分

» 大正ロマン画家たち [mari-note]
竹久夢二、伊東深水、鏑木清方、高畠華宵 、島成園、木谷千種、池田蕉園 、中原淳一 [続きを読む]

受信: 2006年9月 7日 (木) 13時02分

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