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2006年7月30日 (日)

ベーリックホール

Maetani_01_1ジェイ・ヒル・モーガン(Jay Hill Morgan)の設計によるベーリックホール。西洋館を花と器で装飾するイベントが毎年ありますが、フラワーアーティストとチャイナのブランドが1週間だけ、西洋館を彩ります。

重厚な趣に、透明なグラスに白い薔薇とグリーン。前谷裕一氏のテーマ「 Noble&Relaxing  (6月の花嫁GraceWedding)」が、楚々とした清々しさで表現されていました。

いちばん安定したコーディネートでしたが、メイン以外では、平面的な器のディスプレイで、グリーンのクロスとアビラントのシノワズリ風のチャイナが寂しげ。

Berrickhall_win

会場となった山手西洋館の各邸宅は、どちらもアンバランスな印象です。コーナー、コーナーは面白いのですが、トータルにみるとどこかの生花の展示会場みたいで、花と器、そして室内とのバランスに魅力なし。残念。


室内の置き家具も、当時のものと思われるものが少なく、いきなりアメリカンカントリーだったりするわけですよ。

Berrickここベーリックホールは南欧風の建築で、アールヌヴォー調の意匠をこらした階段やアールデコの装飾も目を惹きますが、観葉植物やファブリックの扱い方に不満。

こちらの写真は普段のベーリックホールですが、テーブルの小物の配置は、どこかの喫茶のようです。多彩な建築装飾がほどこされた邸宅ですが、庭の木々の選び方や植え方から、小物や置き家具の配置など、いまいちピンとこない。

さらに、こども部屋の演出方法にはがっかりです。また寝室に、クッションなどの小物の装飾性が活かされていません。海外ではベッドルームに必ずといっていいほど、色彩を活かしたクッションがあるのに。

でも、こんな家に住んでみたいなぁと思った私です。

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2006年7月28日 (金)

絵手鑑の内蓮池に蛙図-蓮と睡蓮

酒井抱一 筆 『絵手鑑の内蓮池に蛙図』  ちなみに静嘉堂文庫美術館では、収蔵作品の多くを絵はがきにしています。 実はSAIが、抱一の『絵手鑑の内蓮池に蛙図』のポストカ ードを手にしているときに、奥方が、「まぁ、蛙に睡蓮ね。」とおっしゃた。

こちらが伊藤若冲の『玄圃瑶華』から図様を倣い、抱一独自の構図や筆致に、彩色もされています。蛙のお腹や脚、そして蓮の葉の葉脈には金が用いられていますね。ただ蓮の特徴である茎はなく、なんだか葉にも切れ目がある。


睡蓮は、江戸時代には育成されていなかったと思われます。「梅園草木花譜」や「東莠南畝讖」などの江戸時代の博物誌には、蓮しか描かれていません。当時、人気のなかった薔薇も、小さくメインの花の下にそっと描かれているだけですが、睡蓮という名は、どこにもありません。


www:pdase.com_copy これは「蓮」ですね。

茎が長く、ま~るい葉は、たいてい水面からすっと姿を現します。

よくみると葉に真珠のような水滴がコロコロとあります。

これが「蓮」のアイディンティティ。

でも茎が短いもの、水面に葉が浮かんでいる蓮もありますよね。 www:pdase.com_copy


さて、睡蓮はというと、単純にお話すれば水面から茎をださずに、滴のない葉には切れめがあり、お顔だけを見せてくれます。でも、茎をのぞかせることもあるんですね。


睡蓮は森や泉や山にすむ精霊Nymph(ニンフ)が語源で Nymphaea(ニンファエア)といいます。 こちらがその睡蓮。葉に切り込みがありますね。これが睡蓮のIDです。

抱一の『絵手鑑の内蓮池に蛙図』と比べると良く似ていますが、実は睡蓮は、大正時代に育成がはじまった植物なので、この時代には原種である「未草」といいました。


プライスコレクションの中野其明「蓮図小襖」は、まぎれもなく「蓮」の特徴が描かれています。


この渡来した睡蓮ではなく、日本に自生していた未草。江戸時代から明治6年までの時の呼び名である未の刻から、「未草」とよばれたといいます。ということは、抱一の描いた「蓮池」に蛙図は蓮池に咲いた未草という可能性があるということですね。蓮池と蛙であって、花の名前をタイトルにしているわけではないですもんね。


古代蓮

万葉時代から蓮があったといいますが、こちらは「古代蓮」といわれる2000年前の縄文遺跡から出土した種子で、1951年に種が発見されました。蓮の地下茎である蓮根は、江戸時代にも味わうことができたようです。この古代蓮、葉に切れ目がありますが、自然の戯れで、しぜんに葉が裂けてしまったのでしょう。

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2006年7月26日 (水)

老松孔雀図 若冲名画集 1904年から

A_white_peacock_under_a_pinetree こちらが、「A White Peacock under a Pine-tree」の老松孔雀図です。三の丸尚蔵館の動植綵絵 「花鳥―愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>」 で、第5期に展示されますが、若冲のエロティシズムには、孔雀図がよく取り上げられているようです。

若冲の描き方、作風には、シノワズリやアールヌヴォーを感じさせるものもあり、一般的によく紹介されている画風だけではありません。写生画家といわれる若冲にしては、ロマンティシズムを感じさせる老松孔雀図ですが、やはり独特の濃密さ。

極彩色の花鳥画で、「秋暉の孔雀」と呼ばれる岡本秋暉も特異な趣です。「若冲 の鶏」 「光起の鶉」 「狙仙の猿」と並びますが、この四天王は、いずれも「特異な趣」とされています。

エゴン・シーレバルテュスの人物描写のように、普段隠しておきたい裸体や性の特色をリアルに描くごとく、隠しておきたい人間の感情や官能を、動植物に譬えているような「凄み」を「特異な趣」としてみる素人の私でした。

Masterpieces_by_jakuchu さて、こちらが伊藤若冲の動植綵絵の作品集です。田島志一編「Masterpieces by Jakuchu 」といいます。 日本では、『若冲名画集』 (関西写真製版印刷) 明治37年(1904年)10月に出版されました。肉筆画になります。

光琳の「Masterpieces Selected from the Korin School」のほか、北斎なども同様に、編纂しています。

この若冲名画集は、三の丸尚蔵館 動植綵絵であり、リストは英語のタイトルですが、群魚図 <蛸> 、群魚図 <鯛>はどちちらも「Fishes」です。群鶏図は「Cocks and Hens」蓮池遊魚図は、「Lotus-flowers and Plecoglossus altivelis」なんだ~とひとり納得いたしました。

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2006年7月20日 (木)

千虫譜 江戸の博物誌

千虫譜 山バチノ巣山バチノ巣 鬼バチトモ云 

昆虫や蛙、蜥蜴、花蛾など初の虫類図譜として名高い「千虫譜」の図の一枚「山バチ」です。服部雪斎をはじめ転写が数多くありますが、オリジナルの書は幕医栗本丹洲の著作で、1811年になります。

国会図書館webの「描かれた動物・植物 江戸時代の博物誌」から閲覧できますが、「千虫譜」は、女性の皆さんが、「キャッ」と小さく声をだされる図もありますので心得て。(笑)

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2006年7月17日 (月)

小川一眞 Ogawa Kazumasa

牡丹 小川一眞  「Some Japanese Flowers 1895, 10 Chromo-Collotype Plates」 日本の近代写真家の一人小川一眞氏。
コロタイプ写真帳「日本の菊」/コロタイプ写真帳「日本の衣装と風習」/「マリーの日本案内への写真帳」/コロタイプ写真帳「松島(日本三景)」/コロタイプ写真帳「日光と近郊の景色」/コロタイプ写真帳「東京雪景色」/コロタイプ写真帳「日本の型:東京の有名な芸者などの著作本があります。

150年前にフランスで生まれた写真印刷技法をコロタイプというらしいですが、その技法を駆使した写真家が小川一眞氏です。

菖蒲 小川一眞  「Some Japanese Flowers 1895, 10 Chromo-Collotype Plates」菖蒲 Iris 小川一眞 「1897-8  Collotypes & Color Albumen Photographs from Japan Described and Illustrated」 Branch_of_flowers 小川一眞 「1897-8  Collotypes & Color Albumen Photographs from Japan Described and Illustrated」 Kiku_yellowKiku_red

菖蒲/菖蒲/花の枝/菊(黄)/菊

椿 Cameria 小川一眞  「Some Japanese Flowers 1895, 10 Chromo-Collotype Plates」 藤 Fuji 小川一眞  「Some Japanese Flowers 1895, 10 Chromo-Collotype Plates」百合  (Beni-suji) 小川一眞  「Some Japanese Flowers 1895, 10 Chromo-Collotype Plates」millet_floweLily

椿/藤/百合/ミレット/百合

Multi-Pass Color Collotypesという職人絵師の色付けされたものです。このほかに、Hand Colored という1枚1枚彩色を施した手彩色絵と区別されていました。詳細はわかりませんが、手彩色絵は、絵葉書に用いられる時代がありました。

また、小川一眞氏は海外に日本を紹介する書籍のほかに、岡倉天心らによる美術雑誌『国華』の写真と印刷なども手がけています。

日本では、こういった写真や書籍は、大学や国会図書館などにあり、なかなか閲覧する機会はないようですが、海外のアンティークショップでは、たやすく手に入れることができるものもありますよ。

関連記事
小川一眞 1890年代 Japanese flower 芍薬(Paeony)、蓮(Lotus)を掲載しています。

小川一眞 Ogawa Kazumasa Flower Collotypes


Chrysanthemum4

菊(Chrysanthemum)by 小川一眞(Ogawa Kazumasa)


Ogawa_kazumasa_some_japanese_flower

芍薬あるいは牡丹もあり?(Paeony)by 小川一眞(Ogawa Kazumasa)


Wisteria6

藤(Wistaria)by 小川一眞(Ogawa Kazumasa)
注)左は逆さにしているだけです!(right=left)


Lily_2

百合(Lily)by 小川一眞(Ogawa Kazumasa)


Ogawa_kazumasa_some_japanese_flow_2

左(left)は「花の枝」?とあるだけで、名前がわかりませんでした。→追記:八重桜(Prunus verecunda)でした。
右(right)は椿(Camellia) by 小川一眞(Ogawa Kazumasa)


Iris

左と中央(left & center): 菖蒲(Iris Kaempferi)
右(Right):花菖蒲(Iris laevigata var. Kapmpferi) by 小川一眞(Ogawa Kazumasa)

菖蒲(あやめ)と杜若の違いはこちらの記事から
記事 杜若に菖蒲(あやめ)、花菖蒲


さkura

桜(Prunus pseudo-cerasus) by 小川一眞(Ogawa Kazumasa)


Tutuji

躑躅(Rhododendrom indicum)by 小川一眞(Ogawa Kazumasa)


2011年9月追記 2012年のカレンダー!

Ogawa_kasumasa_2012_poster_calend_2

小川一眞さんの花々が、2012年のカレンダー(Ogawa Kasumasa 2012 Poster Calendar)で発売されてます。日本では未発売のようです。残念!


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2006年7月16日 (日)

川瀬巴水 

Kawase_hasui_irises私自身はあまり浮世絵には関心がありません。まだその辺の情緒が育っていないようで・・・。

この菖蒲(アイリス)は、昭和の広重といわれる川瀬巴水の作品です。筆は巴水に、版元、彫師、摺師という分業スタイルの新版画。7月25日からホテルニューオータニ美術館にて、「川瀬巴水展」が開かれます。

叙情的な作品といわれているようですが、直線的な力強さを感じてしまう。

夕暮れ、雨、雪、寺社や古い建造物。自然の厳しさ、時代による破壊に負けない人間の感情がある。「怒りの葡萄」や「大地」のように、踏まれても壊れても生きることをやめない力強さ。巴水の筆からも、そんな囁きが聴こえてくる。

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2006年7月13日 (木)

DECO 夢二

若草の少女 竹久夢二 抒情画の領域で、一世風靡を果たした竹久夢二。杉浦非水同様に、アール・ヌーヴォー、アール・デコを作品に取り入れていきます。

木版画の制作、楽譜や表紙装幀、浴衣・半襟・手拭いなどの図案も手がけ、やはり図案集を著していくのです。

ですが、夢二も非水も芸術家、画伯と呼ばれる領域ではありません。夢二は画詩人、非水は、グラフィックデザイナーです。


Takehisa_yumeji

こちらは昭和の時代の作品。こちらは大正14年6月号『三越』の口絵「涼しき装い」です。アール・デコの世界ですね。全体的に淡いトーンは、これから先の時代である1960年代のカラーキャンペーン。

冷たく甘いトーンのパステルカラーを訴求をした「シャーベットトーン」を思い起こさせるような作品。


Umbrellas Viewed from Above
_「花見」 明治時代の作品で、ローダーコレクションの1枚である「花見」です。

ボストン美術館(Museum of Fine Arts, Boston )所蔵で、「Umbrellas Viewed from Above」というタイトルになっているはず。

ここには夢二の作品がかなりあります。


Dec-雪の風

大正13年12月号の婦人グラフ表紙『雪の風』(木版)です。フランス誌「Art Goût Beauté」(アール・グー・ボーテ)に影響を受けています。こちらは『世界でいちばん美しい詩 林古渓 「浜辺の歌」』から同じ構図を用いた夢二の「雪の日」をごらん頂けます。

夢二抒情画選集 上下感は、この作品がグレー色に刷られています。


竹久夢二展

三越百貨店の竹久夢二展のポスターです。
今年の新春に、福岡三越で開催された夢二展。7月9日から14日までは松山の三越で展示があります。知らない作品もあります。このポスターのタイトルがわからない。

夢二の作品に関心がある方には、下記サイトをおすすめします。

竹久夢二「アール・デコの世界」展
弥生美術館/竹久夢二美術館
レトロポリタン美術館 竹久夢二 「青い小径」(春陽堂) 


竹久夢二 この作品と同じ構図がありますが、この作品のタイトルが定かではありません。婦人グラフの「霜葉散る」に似ています。化粧をする風景にも見えます。こちらは海外サイトでお借りしたものです。

いまはリンク切れになってしまい、本文を拝見することも不可能となりました。日本のサイトでも紹介されていないようですので、あえて掲載。


婦人グラフ1巻8号口絵「愛の総勘定」

「愛の総勘定」です。オークションにもかけられています。ラビリンスを思わせる構図に、微妙な配色のなかにたたずむ女性。そしてタイトルの面白さ。夢二の描く女性には、人によっては好き嫌いがはっきりするでしょう。竹久夢二版画「婦人グラフ」1巻8号口絵は大正13年の作品です。

大正時代には、楽譜表紙の装丁もかなり手がけています。林古渓作詞の 「浜辺の歌」の楽譜表紙も夢二が装丁。その作品も掲載しています。こちらも、さきほどの『世界でいちばん美しい詩 林古渓 「浜辺の歌」』からごらんいただけますし、試聴もできます。

ほとんどがセノオ楽譜の表紙で、西洋音楽の普及に努めた妹尾幸陽が大正5年 から昭和2年にかけて国内外の名曲を集め出版した楽譜集です。たとえば歌劇「ホフマン物語」 オッフェンバッハ作曲 堀内敬三訳詩は「船うた」として出版されています。


Yumeji_zuan

縮刷 夢二画集 古書 夏目書房 

初版本、復刻版もあります夢二画集。右側がケースになっています。ちょど世界大戦の大正3年の出版ですね。

この翌年に、協議離婚をしながらも暮らしていた妻たまきと別れ、25歳でなくなる笠井彦乃と結ばれるのです。

夢二的美人のいくつかで、「立田姫」、「この夜ごろ」は変身抄からどうぞ。

「とーしさま」
コメントのプレゼントありがとうございます。気がつかなくって申し訳ありませんでした。

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2006年7月10日 (月)

ミュシャ Collection Illust

ミュシャスタイル ミラー皆さんがよくご存知なのは、ミュシャのイラストが描かれた鏡などではありませんか?こちらもミュシャの造形の鏡です。でもライセンスの一品。

さて、アール・ヌーヴォーの寵児ミュシャは、室内のひとつひとつをデザインしています。

ミュシャのデザインしたテーブルウェアのイラストなどは、本当に見ているだけで、うっとりします。ファニチャー 家具、食器にランプ、宝飾と12点のイラストをみることができます。また、ミュシャの字体なども参考に添えておきます。


Collection Illust


 

Interior1

 


 

Collection 06 (Furniture), designCollection 01 (Tableware), designCollection 02 (Tableware), designCollection 03 (Tableware), designCollection 04 (Tableware), designCollection 05 (Miscellaneous), design

Collection 08 (Lamps), designCollection 09 (Lamps), designCollection 10 (Tableware), designCollection 11 (Tableware), designCollection 12 (Tableware), designCollection 07 (Furniture), design



ポスターの字体


 

Interior2

 



Alpha_mucha_abc

 


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2006年7月 9日 (日)

杉浦非水

山葡萄日本のアールヌーヴォーの時代に活躍した杉浦非水(1876 - 1965 本名 朝武・つとむ)の作品で、1922年の「山葡萄」だったと思います。東京国立近代美術館所蔵のはずなんですが、いまは検索できない状態です。神坂雪佳(慶応2~ 昭和17/1866~1942)も同時期に活躍していますね。パリ万博は、渡仏した洋画家の浅井忠をはじめ、藤島武二、板谷波山、橋口五葉、武田五一、藤井達吉らに、そして杉浦非水も、大きな衝撃と影響を受けて、作品にその様式を取り入れていきます。


画家、図案家、工芸家、建築家たちの技巧を重視した「職人主義」から、「創作性」というものへの表現に取り組むようになります。


モーヴフラワー 杉浦非水の作品に 「中学世界 絵葉書 博文館」と記された、 1906年の明治時代の作品とありました。モーヴフラワーというらしいです。三越のポスター、絵葉書にも、このような女性の図柄がいくつかあります。「美人画」となるのでしょうか。モーヴは、薄い灰色・青みを帯びた紫です。英国の Perkin によって 1856年に最初の塩基性染料の Mauve が 発明されたのです。


いわゆる合成染料のこと。アンティーク調の色彩は、服飾のほかに化粧品の色としても用いられています。とても好きな色なのですが、年齢とともに「くすみ」が強調されやすい、たいへん微妙で憧れの色ですね。

さてこの作品は、 ミュシャ風の女性の表情もさることながら、ヨーロッパの「色」も強調されているのです。


蓮こちらの図案は、以前の記事「花 蝶 図案集」で、『非水百花譜』20集を紹介した、その中のひとつ「蓮」です。

先の「山葡萄」も非水百花譜に収められている作品です。

日本的な姿をしながら、西洋の図柄に負けない堂々と描かれています。



Autumnal_branches模倣ではない日本独自という日本のアールヌーヴォーです。

私個人の感じることは、「創作性」ではなく、「意外性」へと発展してしまったのではと。私個人の感じることとは、芸術という専門家ではない素人個人の感覚ですからね。つまり、芸術という領域では、観る側の大衆のなかの一人だということで。そのなかで、非水は、巧く使いわけをこなしている。


非水の作品は、すべてアールヌーヴォー調ではありません。
装丁本、地下鉄や百貨店、たばこのポスターやラベル、美人画のほか、非水独自の作風である「秋の川」、「遊泳」のポストカード、社会や政治背景が見えるポストカードなど、作風もさまざまです。大正時代にはアール・デコへと作風は変化していきます。図案集には、ブック・レトロスタイル 1~3巻もあり、皆さんの好きな1枚が必ずあると思います。

>手炙りの灰を片付けていた時に
なんと風情のある。
JUGEM BLOG 「MY FIRST JUGEM」さんの「骨董品」の記事から引用させていただきました。
なんと、杉浦非水デザインの昭和7年~昭和20年頃に販売されていた煙草が、「手炙りの灰を片付けていた時に」、顔をだしたそうなんです。写真が掲載されています。

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2006年7月 7日 (金)

七夕とジョン・グールドのカササギ

Piebavarde © JOHN GOULD

薔薇はルドゥーテなら鳥はジョン・グールド。

19世紀の画家・鳥類学者JOHN GOULD (1804 - 1881) の「かささぎ」です。
今日は七夕。織姫と牽牛が一年に一度だけ会える日です。

この日に雨が振れば、天の川をわたることができない。「かささぎ」が、その雨の日に橋となってくれるらしい。

なんとも愛らしい「かささぎ」です。 Piebavarde © JOHN GOULD
笹、短冊、天の川。そして「かささぎ」も風物詩なんですね。
そして七夕に、白峯神社や金毘羅さまでの蹴鞠奉納も行事のひとつ。

七夕関連記事
白峯神社 七夕と蹴鞠奉納/宋代 淑女図蹴鞠/根付師 岡友「蹴鞠」
ベガとアルタイル/七にちなんで ナナの誕生 ドミ・モンド



ジョン・グールド鳥類図譜総覧

黒田清子さんとなられた紀宮さま。「ジョン・グールドの鳥類図譜総覧」は紀宮清子さまの時に出版されました。

「鳥類」が正直苦手なkafkaを魅了する、ジョン・グールド。

清子さまのご結婚以前に勤務されてらした山階鳥類研究所。
長年のご研究成果をまとめたものがこちらなのですよ。

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