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2006年11月12日 (日)

エッシャー カライドサイクル

Trommeldichtエッシャー(エッシャーの作品はこちら→スーパーエッシャー展 Bumkamura by remove)のキーワードに、正則分割・遠近法・無限性・不可能性がありますね。美術手帖 11月号に、M.C.エッシャーの特集で、愛好したケプラーの多面体という小星型12面体、星型8面体のお話が掲載されています。

TETRAROLL テトラロール ESCHER /表裏のトポロジー
http://www.bijutsu.co.jp/bt/furoku1.html
CUBEROLL キューブロール ESCHER /5角形で平面を埋めつくす
http://www.bijutsu.co.jp/bt/furoku2.html
OCTAROLL オクタロール ESCHER / 角度のトポロジー
http://www.bijutsu.co.jp/bt/furoku3.html
↑という「たためるプラトン立体 3点」の特別付録が付いています。

Saiが、中学の数学で学んでいるよ、 aleiは、正多角形の対角線を求めることやったじゃんっていいますが、記憶にありません。

その中学の数学というのが、4個の正三角形からなる正4面体,6個の正方形からなる正6面体,8個の正三角形からなる正8面体,12個の正五角形からなる正12面体,20個の正三角形からなる正20面体のことで、対角線というのが、すべての面が等しい正多角形できていて、各頂点に集まる辺の数が全て等しい。それが多面体である。・・・(そう・・・なんだ・・・。)

正多面体(Regular polyhedron)とよばれるのは、この5種類のみである。・・・(うん、うん。そうなのね。)

なぜならば、3×((n-2)×180°÷n)<360°が成り立つからだ。(by プラトン)・・・(えぇ~!5種類のみでストップして~!)・・・つまり (頂点の数)-(辺の数)+(面の数)=2 という関係を満たすものっていうことらしい。・・・。

正4面体 → 4-6+4=2
正6面体 → 8-12+6=2
正8面体 → 6-12+8=2
正12面体→ 20-30+12=2
正20面体→ 12-30+20=2

この数式から、5種類しかないことを「証明」した。(↑オイラーの定理)

そこで、エッシャーが愛好したケプラーの多面体というのが、正12面体と正20面体のみ星形正多面体にあたり、それが、ケプラーが発見した「星形小12面体」、「星形大12面体」です。(200年後にボアソンという人が大12面体,大20面体を発見して正多面体の星形化が4種類ということになるそうです。

M.C. Escher Kaleidocycles (ペーパーバック) Doris Schattschneider (著) 星型正四面体というのは、ケプラーの星型8面体のことです。

外接する立体から、正6面体、立方体 (hexahedron, cube)ができて、内接する立体から正8面体ができるということです。

この外接、内接による「面点変換」から、ちがうカタチが生まれます。

この本、エッシャーの「カライドサイクル」は、作品を立体的に再現したものです。論理が理解できなくとも、絵は見ればわかる(エッシャーの三つの世界 by LSC)、多面体はつくればわかる!型紙になっているし!これは数学者のドリス・シャットシュナイダーと芸術家のウォレス・ウォーカーがエッシャーの図柄を紙の表面にあしらい、連続的に模様が変化する不思議な立体模型が作れるというもの。

エッシャーの多面体をはじめ、鏡面反射、光学的な性質、結晶の幾何学的な特徴(ミステリアス エッシャーby RE+nessance)を知ることで、無限反復錯視図、多義図形を充分に知覚できるでしょう。

人間や動物などの繰り返し模様が特徴の「平面の正則分割」では、 図 ( フィギュア ) と地 ( グラウ ンド )の背景が、反転の形態により、双方可能な対象性を知ることができますね。

人間の注目する視点はさまざまで、色彩の対象色の表現が、白にむけば白い部分が浮かび上がるというように、黒の部分と一度に識別はできません。エッシャーはそういった反転の形態を随所に描いています。平面で三次元を描いているという視覚のトリックから、「見ている」ものと「見える」ものを視認し、「変容」、「循環」、「無限」の表現を実感できます。

このカライドサイクルは、立体的に作品をみると、クラフトの性質だけではなく、そのフォルムがいかに数学的であるかを体験できます。

これは、幾何学の原理にエッシャーの連続模様が構成され、四面体の三次元のリングという、「中心部」にむかって、「無限に回転」させることができる立体です。

M.C. Escher Kaleidocycles (ペーパーバック) M. C. Escher (著),  Doris Schattschneider (著), Wallace Walker (著)Kaleidocycleを、数学的要素を絡ませると、大学の講義にも使えるらしいですが、これはエッシャーとは別に、カライドサイクルという原理です。美しい + 形 + 輪の意味を意味をもつ無限に回転する四面体。立体で見る美術とするなら、原理そのものよりも、幾何学の連続模様を楽しむことができます。

エッシャーの平面の正則分割は、折り紙から、正多角形を組み合わせて敷き詰めることに発展させながら、タイル貼りを経験できます。エッシャーのジグゾーパズルも販売されていますが、この幾何学のパズル的な実感。これを論理の解釈を必要としないなら、図工という枠におさまるでしょう。私は理数ダメなので、数理と展開図ぬきのクラフトです。(笑)

こうしたエッシャーの連続模様が、中心から「押す」、「返す」、「回転」させるたびに違う面が見え、「Kalos:美しい」 「Eidos:形・模様」 「Kyklos:輪」という意味が体験できます。

Kaleidocycles 
↓中心から押す、返すという動作が動画でご覧いただけます。
M.C.Escher kaleidocycles
other kaleidocycles
M.C.エッシャー カライドサイクル(邦訳)
その他 エッシャーの版画、リトグラフの作品写真
Artwork of MC Escher

日本語サイトでとってもわかりやすいステキなHPを発見。
しごと・あそびごと・ひとりごと

↑のリンク先はKaleidocyclesが、どんなふうに変化するかを図や写真でみることができます。五角形で平面を埋め尽くしたキューブロールをひろげて輪にするとどんな具合になるのかなど、さまざまです。日本語サイトではないのですが、写真で十分に実感できます。

つまり、この記事を読まなくとも、(読んだらわからなくなるから)リンク先を見ていただければOK!

M.C. Escher Kaleidocycles 著者:Doris Schattschneider,Wallace Walker 販売元:Pomegranate洋書のM.C.Escher kaleidocyclesの紹介です。
M.C. Escher Kaleidocycles (Pomegranate)
著者:Doris Schattschneider,Wallace Walker
M.C. Escher Kaleidocycles (Ballantine Books (P))
著者:Doris Schattschneider
M.C. Escher Kaleidocycles (ペーパーバック)
Doris Schattschneider (著)
M.C. Escher Kaleidocycles (ペーパーバック)
M. C. Escher (著) Parkwest Pubns; Special ed版
Doris Schattschneider,Wallace Walker (著)

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コメント

だから!
(頂点の数)-(辺の数)+(面の数)=2
オイラーの多面体定理!!!

投稿: remove | 2006年11月12日 (日) 17時46分

OKです!えへっ!

投稿: kafka | 2006年11月12日 (日) 17時51分

>キーワードに、正則分割・遠近法・無限性・不可能性がありますね。

そのひとつだけを記事にするのも、ものすごく大変なパワーを使います。たとえば正則分割にしても、テキストに収まらないでしょう。(笑)どこかで、サラリと流すことも肝心ですが、カライドサイクルに関しては、理数とクラフトの両方の側面があるということが伝えられる記事となって良いと思いました。

>四面体の三次元のリング
実際に作った人の記事を見ても、ただ回転し続けているということのみですが、「中心部」という一言を添え、その原理に注目がいく内容が良いですね。

さて、少し贅肉をとってもよいかもしれないね。伝えたいけれど、伝えきれない言葉探しの文章は、思い切って、省いてもいいかなと。ふ~のもどかしさが文面にあらわれ、楽しく面白く拝見していますが。(笑)

たとえば、「反転の形態で双方可能な対象性を持ち」はどうなんだろう。モチーフが、図 ( フィギュア ) と地 ( グラウ ンド )のどちらにも双方可能ということだから、=反転の形態でしょう?どちらか削っても・・・とも思うけれど、反転の形態という言葉があるから、何を指しているのかがわかるのかな・・・。

>鏡面反射、光学的な性質、結晶の幾何学的な特徴(ミステリアス エッシャーby RE+nessance)を知ることによって、・・・

ここは、図 ( フィギュア ) と地 ( グラウ ンド )の、「見る側がどの部分に注目するか」だよね。

白に注目すれば、目にみえるものがちがう。鏡面反射、光学的な性質、結晶の幾何学的な特徴を、ある程度知識として持っていれば、今度は黒に注目しようという「見方」ができるということだから、いったん文章を終わらせて、段落を変えてもいいかなと。

>日本の折り紙を使用して、多面体をつくることが可能ですよね。折り紙は、小さい頃、鶴や舟をつくりました。ほら、帆をもっていても舟先に変わったりしましたよね。エッシャーのカライドサイクルも、折り紙もそうですが、あらゆる要素を秘め、そこからまた新しい発見が生まれるかもしれない可能性があるものです。

折り紙の例えもいいね。でも、今回は省いてもいいかも。

投稿: sai | 2006年11月12日 (日) 19時13分

同じ言葉の繰り返しや、折り紙の例えの部分、削除してみました。だいぶ、絞ったよ。

投稿: kafka | 2006年11月12日 (日) 21時25分

sai のアドバイスで、だいぶ贅肉落としたね。
内容は豊富だったけれど、同じ言葉の繰り返しや言葉を変えての説明が多すぎた。ふ~自身が解釈しながらの記事だったのでは。(笑)

「天使と悪魔」も多義図形で、白、黒の見え方が違うね。

投稿: remove | 2006年11月12日 (日) 21時58分

書いて省くのは、ふ~のスタイルなんだけど、ホラ、理数弱いから、理数の部分はどう削ったらいいかもわからなかったのよ・・・。

投稿: kafka | 2006年11月12日 (日) 22時25分

わっ、またエッシャーだっ、と近頃エッシャー再評価のとーしは喜びました。でもでも、内容は・・・わかんないよう・・・
ぜーんぶすっ飛ばしました。だって、・・・わかんないよう。

投稿: とーし | 2006年11月13日 (月) 20時11分

とーしさん。こんばんわ。
いやいや、書いている私も、一度教えてもらったにもかかわらず、メモを読んでも、何書いたんだろうと・・・。

コメントにもあるように、一番最初の記事は、きっと、もっとわかり難かったと思います。これでも、だいぶ贅肉おとしました。(笑)

すっごく理数が苦手な私なんですが、このカライドサイクルは、もうね、簡単に作れると思ったんですよ。でも、ここを折って、ここにのり付けしてというカタチが、自分が勝手に想像した形とその手順が、まったく違っていたんです。

紙風船にもなりそうな代物を想像していたので、先入観で、この折り方と出来上がるまでの経過に、想像がついていきませんでした。

そうすると、いろんな原理を知る必要があるかなって。

でもね、ふつうに、なんにも考えずに、「おもしろい」ってみるのがエッシャーではないかと・・・。版画やリトグラフは、錯覚して、その錯覚を探すだけで、充分楽しめますよね!

しばらく、エッシャーは・・・。という気持ちになった記事作成でした。

投稿: kafka | 2006年11月13日 (月) 23時37分

とーしさん 追伸です。

実は、夫も子供も簡単に仕上げてしまって、私のグチャグチャになったんです。本はalei(remove)から頂戴したので、今度はaleiとsaiに教えてもらいながら作ったわけなんですが、二人とも、なんだか、ぐったりしちゃってました。(笑)

「ねぇ、多面体って知ってるよね?」
という言葉に、ますます頭が真っ白になった私でした。

投稿: kafka | 2006年11月14日 (火) 00時02分

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