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2006年12月26日 (火)

シノワズリ フランソワ・ブーシェ

Chinoiserie_room_mural_lynne_rutter Chinoiserie Room Mural by Lynne Rutter
Image Copyright ©www.lynnerutter.com

ジャポニズムの赤、柿右衛門の赤とも違う、シノワズリ(中国趣味)の赤。

お花に、鳥に、蝶々といえば、日本の四季花鳥図にも描かれていますが、シノワズリも花、鳥、蝶。

このシワノズリ・ルームは、現代のアーティスト リン・リットーが描いた「障壁画」になりますが、もっともフランスの芸術において、シノワズリが象徴とされたロココ時代に、画家 ブーシェもさかんに描いています。

ロココといえば、曲線が装飾に使われていますが、C字とS字がその基本。ゆがんだ真珠といわれるバロックの力強さとは相反して、優雅で女性的。

ブーシェのシノワズリの花などの図案などもありますが、今回は、中国人のスタイルそのものを描いた、フランソワ・ブーシェの作品をご紹介します。

El_ajedrez_de_francois_boucher 「中国人のチェス」 フランソワ・ブーシェ
頭の後ろに長く垂らした三つ編みの弁髪といえば、清国。清では、乗馬、騎馬に適した旗袍(チーパオ)という服飾文化。丈の長い衣装ですが、女性のチーパオは、清朝の滅亡後に、西洋文化を受けて、フィットしたチャイナドレスに変化していきます。

さて、ブーシェの作品には、頭髪の一部をそり落とし、残りを編んで後ろへ垂らすに、まだ至らないほどの幼い子が描かれています。

この子はチェスをしている女性とどんな関係なのでしょう。ブーシェの中国人を描いた作品には、愛くるしい子供達が描かれていますが、侍従のような印象を受ける作品もあります。

こうした中国趣味が、見事にロココと融合したのは、異郷のインパクトにも優雅さが漂っているからでしょうか。日本のジャポニズムは、屏風から浮世絵をはじめ、花魁、役者、庶民という階層がクローズアップされていたようですが、シノワズリは皇帝や貴族の文化が好まれていたようです。

Feast_of_the_chinese_emperor_study_for_a

中国皇帝の饗宴 タペストリーのための習作
フランソワ・ブーシェ 1742年頃

アムステルダム国立美術館には、シルクとウールに描かれた、ブーシェのタペストリーがあります。「中国の市場」というタイトルです。

中国の結婚式、中国の釣り人、中国の狩、中国庭園、中国の祭りとブーシェは描きます。そして一番優雅に描かれている中国人は、「中国の釣り人たち」ではないでしょうか。このほとんどが1742年の作品で、中国の祭りは、1743年の作品。こちらは、すべて「変身抄」からご覧いただけます。

どの作品にも、シノワズリの赤が調和し、不思議と安らぐ色彩です。

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» フランソワ・ブーシェ シノワズリ [変身抄]
中国の釣り人たち 1742年 フランソワ・ブーシェ(1703-1770) アール・ヌーヴォーがジャポニズムと結びつくように、フランスのロココはシワノズリ(中国趣味)に結びつく。 ロココの装飾はCとSが基本のラインで、それが優美、優雅な特徴を示すという。そこに「支那風」の異質な風景と文化を取り入れたらしい。花、鳥、蝶に、支那の髪や服飾が、活き活きと描かれる。 あの、ポンパドール夫人の肖像画で有名なブーシェは、夫人のロココ趣味のために、このシワノズリを研究したらしいという話まである。 さて... [続きを読む]

受信: 2006年12月26日 (火) 21時13分

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