ポール・セザンヌ 春・夏・秋・冬
セザンヌは、私が忘れかけていた画家ですが、この四季図 春・夏・秋・冬は、セザンヌ自身が、画家としての将来への理想や幻想を抱いていない時代に描いたもの。
作品の価値というものを知らなかったのでしょうか。悪戯な遊び心で、セザンヌは、「アングル」と右下に署名したのです。もしも、精魂こめて描いたものなら、自分の子供(作品)に、別な親(画家)の名を署名することができるでしょうか。
「(略)画学生めいたジョークのつもりで、この四季に、大きな生意気な文字で「アングル」と署名した。」 (ジャワシャン・ガスケ「セザンヌ」より。)と、セザンヌと親交があったジャワシャン・ガスケが記しているとおり、画学生気分のセザンヌが描いた作品と署名なんですね。その無邪気さが、セザンヌが多く残している作風と違うのでしょう。
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アングルとは、オルセー美術館にある「泉」を描いた、ドラクロワとならぶジャン・オーギュスト・ドミニク・アングルのこと。この似ても似つかないセザンヌの「四季図」は、リュクサンブール美術館の学芸員ベネディットがレオポール・ロベール風と述べていると、島田紀夫氏の作品解説(1988年頃)にありました。
この四季図の「冬」には、「1811年」という表記もあります。アングルの「ジュピターとテティス」が制作されたのが1811年。
島田由紀夫氏は、座る女性がテティスの姿に似ていると解説しているとおり、セザンヌは、アングルのジュピターとテティスが展示されていたグラネ美術館に、幾度となく足を運んだようです。
モチーフはアングル、そしてPrimitive(プリミティフ)なエスプリを利かせたセザンヌ。
ジョリス・カルル・ユイスマンス(Huysmans Joris Karl )の「三つの教会と三人のプリミティフ派画家」にも紹介されているような印象を受けたのは、私だけでしょうか。 グリューネヴァルト、フレマール(MASTER of Flemalle)を思い出しませんか?
この作品は、セザンヌの父親の古い別荘「ジャ・ド・ブファン」の居間に描かれたもの。左から「春」、「夏」、中央に父親の肖像画(ロンドン,ショナルギャラリー)、そして「冬」、右端が「秋」という順序で、パリの市立美術館(プティ・パレ)も、春・夏・冬・秋と展示しているそうです。
今日は息子の誕生日。閏年ではない2月の28日に、「今日か明日、産まれますように。」と神棚で手を合わせたのが18年前。もう、お腹が大きいのが我慢できず、予定日より2週間はやいその日の朝にお願いしたのが叶ったわけで、28日に破水し、3月1日に誕生したわけです。この作品のように、毎年、春・夏・秋・冬が18回も訪れたのです。
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コメント
18年目ということは、様ざまな端境期・転換期を迎えているのですね。親子とも色々な感慨がおありでしょうね。
ところで、このセザンヌは、うっそーーっ!!って感じですよー。
私の知らないセザンヌって、ズイブンあるんだなぁ。よく、こーゆーの見つけてくると感心します。
セザンヌは大好きだから、ほとんど見てる積もりでいたんですけどね・・・。
投稿: とーし | 2007年3月 1日 (木) 21時39分
とーしさん。こんばんわ。
>親子とも色々な感慨がおありでしょうね。
今日、3日は卒業式でした。幼稚園、小学校、中学校と、息子の卒業式に出席しましたが、泣くということはなかったのですね。
ところが、はじめて色々な感慨が沸き、入場のときには、涙が溢れ、震えていました。(笑)
これから進学する付属大学は私立で、高校入学時から、いろいろな意味で、親、姉妹に援助してもらい、ほかのご家庭とは違い、私達夫婦二人だけで育ててきたわけではないのです。
そんな感謝や、嬉しさで、自分でも涙したこと、びっくりしています。
式中、泣き通しのお母様がいらっしゃいました。きっと、私の涙とは違うと感じました。
そのお母様は、お母様ご自身が、専業主婦でいらっしゃって、お子様の成長を、ずっと側で見守り、ご自分達で、卒業、進学と努め、手塩にかけ育てあげた実感を涙したのでしょうねぇ。
もう一度、生まれ変わるなら、専業主婦で、じっくり子育てしたいと思っています。
>ところで、このセザンヌは、うっそーーっ!!って感じですよー。
もう、ほんとセザンヌ?ってカンジですよね。
これは、朝日新聞社発行の「アサヒグラフ別冊 美術特集 西洋編 6 1988年12月 セザンヌ」です。当時の価格は1300円。
水浴シリーズ、マネの作品に触発されたシリーズなどのほか、もとは1枚の絵だったというマグダラのマリアも掲載されていますよ。
展覧会や、その時代に海を越えて来れる作品、美術書によっても様々ですが、見ることのない作品も、きっとあるのでしょうね。
ちなみにアサヒグラフには、71点ほど掲載されています。
投稿: kafka | 2007年3月 3日 (土) 22時41分