« ボッティチェリ ユディト | トップページ | オディロン・ルドン 蝶々に小花、 昼と夜 »

2007年3月 1日 (木)

ポール・セザンヌ  春・夏・秋・冬

4s_kafka

ポール・セザンヌ  春・夏・秋・冬(左から) 1859~62年

セザンヌは、私が忘れかけていた画家ですが、この四季図 春・夏・秋・冬は、セザンヌ自身が、画家としての将来への理想や幻想を抱いていない時代に描いたもの。

作品の価値というものを知らなかったのでしょうか。悪戯な遊び心で、セザンヌは、「アングル」と右下に署名したのです。もしも、精魂こめて描いたものなら、自分の子供(作品)に、別な親(画家)の名を署名することができるでしょうか。

「(略)画学生めいたジョークのつもりで、この四季に、大きな生意気な文字で「アングル」と署名した。」 (ジャワシャン・ガスケ「セザンヌ」より。)と、セザンヌと親交があったジャワシャン・ガスケが記しているとおり、画学生気分のセザンヌが描いた作品と署名なんですね。その無邪気さが、セザンヌが多く残している作風と違うのでしょう。

セザンヌ関連記事
2枚のオランピア もっとも好きな作品です。
セザンヌ ロココの花瓶 
「セザンヌ礼賛」モーリス・ドニ
マネのオマージュ セザンヌの「草上の昼食」

アングルとは、オルセー美術館にある「泉」を描いた、ドラクロワとならぶジャン・オーギュスト・ドミニク・アングルのこと。この似ても似つかないセザンヌの「四季図」は、リュクサンブール美術館の学芸員ベネディットがレオポール・ロベール風と述べていると、島田紀夫氏の作品解説(1988年頃)にありました。

Jupiter_and_thetis この四季図の「冬」には、「1811年」という表記もあります。アングルの「ジュピターとテティス」が制作されたのが1811年。

島田由紀夫氏は、座る女性がテティスの姿に似ていると解説しているとおり、セザンヌは、アングルのジュピターとテティスが展示されていたグラネ美術館に、幾度となく足を運んだようです。

モチーフはアングル、そしてPrimitive(プリミティフ)なエスプリを利かせたセザンヌ。

ジョリス・カルル・ユイスマンス(Huysmans Joris Karl )の「三つの教会と三人のプリミティフ派画家」にも紹介されているような印象を受けたのは、私だけでしょうか。 グリューネヴァルト、フレマール(MASTER of Flemalle)を思い出しませんか?

この作品は、セザンヌの父親の古い別荘「ジャ・ド・ブファン」の居間に描かれたもの。左から「春」、「夏」、中央に父親の肖像画(ロンドン,ショナルギャラリー)、そして「冬」、右端が「秋」という順序で、パリの市立美術館(プティ・パレ)も、春・夏・冬・秋と展示しているそうです。

今日は息子の誕生日。閏年ではない2月の28日に、「今日か明日、産まれますように。」と神棚で手を合わせたのが18年前。もう、お腹が大きいのが我慢できず、予定日より2週間はやいその日の朝にお願いしたのが叶ったわけで、28日に破水し、3月1日に誕生したわけです。この作品のように、毎年、春・夏・秋・冬が18回も訪れたのです。

|

« ボッティチェリ ユディト | トップページ | オディロン・ルドン 蝶々に小花、 昼と夜 »

コメント

18年目ということは、様ざまな端境期・転換期を迎えているのですね。親子とも色々な感慨がおありでしょうね。

ところで、このセザンヌは、うっそーーっ!!って感じですよー。
私の知らないセザンヌって、ズイブンあるんだなぁ。よく、こーゆーの見つけてくると感心します。

セザンヌは大好きだから、ほとんど見てる積もりでいたんですけどね・・・。

投稿: とーし | 2007年3月 1日 (木) 21時39分

とーしさん。こんばんわ。
>親子とも色々な感慨がおありでしょうね。

今日、3日は卒業式でした。幼稚園、小学校、中学校と、息子の卒業式に出席しましたが、泣くということはなかったのですね。

ところが、はじめて色々な感慨が沸き、入場のときには、涙が溢れ、震えていました。(笑)

これから進学する付属大学は私立で、高校入学時から、いろいろな意味で、親、姉妹に援助してもらい、ほかのご家庭とは違い、私達夫婦二人だけで育ててきたわけではないのです。

そんな感謝や、嬉しさで、自分でも涙したこと、びっくりしています。

式中、泣き通しのお母様がいらっしゃいました。きっと、私の涙とは違うと感じました。

そのお母様は、お母様ご自身が、専業主婦でいらっしゃって、お子様の成長を、ずっと側で見守り、ご自分達で、卒業、進学と努め、手塩にかけ育てあげた実感を涙したのでしょうねぇ。

もう一度、生まれ変わるなら、専業主婦で、じっくり子育てしたいと思っています。

>ところで、このセザンヌは、うっそーーっ!!って感じですよー。

もう、ほんとセザンヌ?ってカンジですよね。
これは、朝日新聞社発行の「アサヒグラフ別冊 美術特集 西洋編 6 1988年12月 セザンヌ」です。当時の価格は1300円。

水浴シリーズ、マネの作品に触発されたシリーズなどのほか、もとは1枚の絵だったというマグダラのマリアも掲載されていますよ。

展覧会や、その時代に海を越えて来れる作品、美術書によっても様々ですが、見ることのない作品も、きっとあるのでしょうね。

ちなみにアサヒグラフには、71点ほど掲載されています。

投稿: kafka | 2007年3月 3日 (土) 22時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/85845/5455939

この記事へのトラックバック一覧です: ポール・セザンヌ  春・夏・秋・冬:

» マネのオマージュ セザンヌ 草上の昼食 [remove]
「草上の昼食」1870-1871年 静物画、肖像画、水浴画、そして自然と、ポール・セザンヌは、ある領域において同一のものを描き続けている。 ガルダンスの丘、レスタックからみたマルセイユ湾、ビベミュスの石切場とシャトー・ノワール、ローヴのアトリエ、サント・ヴィクトワール山、髑髏。 そしてマネの作品である。 オランピアも然りだが、草上の昼食において、セザンヌは3点作品にし、同趣向だが、タイトルは草上の昼食としない作品が、数点存在している。オマージュとしてはなく「対抗」というむきも... [続きを読む]

受信: 2007年3月 1日 (木) 00時34分

» セザンヌ ロココの花瓶 [Life Style Concierge]
ワシントン,ナショナルギャラリー所蔵の「ロココの花瓶」は、1876年の作品。 第二帝政時代の版画を模写したものらしいということです。 この花瓶に活けられている多様な花たち。アシンメトリーな活け方が、面白いですね。左の小花が蝶々のよう。 ポール・セザンヌは、他の画家に比べ、果実と花を組み合わせた作品は少ないらしい。 「青い花瓶」という果実と花の作品は、傑作といわれているようですが、この造形的な花瓶に、造形的なアレンジと、アンティークなトーンに深く惹きつけられました。(画像引用:19... [続きを読む]

受信: 2007年3月 1日 (木) 00時38分

» マネのオマージュ セザンヌ 草上の昼食 [remove]
「草上の昼食」1870-1871年 静物画、肖像画、水浴画、そして自然と、ポール・セザンヌは、ある領域において同一のものを描き続けている。 ガルダンスの丘、レスタックからみたマルセイユ湾、ビベミュスの石切場とシャトー・ノワール、ローヴのアトリエ、サント・ヴィクトワール山、髑髏。 そしてマネの作品である。 オランピアも然りだが、草上の昼食において、セザンヌは3点作品にし、同趣向だが、タイトルは草上の昼食としない作品が、数点存在している。オマージュとしてはなく「対抗」というむきも... [続きを読む]

受信: 2007年3月 1日 (木) 19時03分

» ポール・セザンヌ  オランピア [Life Carrer Counseling]
モデルヌ・オランピア 1873年 オルセー美術館 モダンヌ・オランピア 1869-70 個人所蔵 (オークションにでているらしい?) モデルヌ・オランピアも、モダン・オランピアも、1865年のマネの作品「オランピア」のオマージュというよりも、同じ題材を...... [続きを読む]

受信: 2007年3月 8日 (木) 19時02分

» モーリス・ドニ 集団肖像画 「セザンヌ礼賛」 [Die Verwandlung]
以前の記事で、オルセー美術館所蔵に、 フレデリック・バジールの「[url=http://www.actiblog.com/renaissance/24226]バジールのアトリエ、ラ・コンダミヌ通り[/url]」を紹介した。 バジールと交流のある画...... [続きを読む]

受信: 2007年3月 8日 (木) 19時15分

« ボッティチェリ ユディト | トップページ | オディロン・ルドン 蝶々に小花、 昼と夜 »