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2007年3月 7日 (水)

オディロン・ルドン 蝶々に小花、 昼と夜

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蝶 1910頃

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蝶 1910年 MOMA美術館

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蝶 1910~1912年 インスティテュアート美術館



静物画 蝶

晩年のルドンの色彩画に多くみられるのが、人、花、植物、生物(蝶、昆虫など)です。人が花に溶けこむような作品や、花が蝶に変貌する作品や、貝殻など、自然界に生きるものを描いています。

感性を研ぎ澄ませた作品が、世紀末から晩年に多く見受けられます。この世の自然界だけではなく、あの世の見えない世界も描いているのは、感性の高さ。それは見えないだけではなく、見てはいけないものだと思う。

感性、感性といいますが、研ぎ澄まされていくたび、見えない世界、聞こえない声が響いてくる。あまり感性を極めると、人は狂うものだと思います。人として踏み込んではいけない領域があるから。




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デコレーション ドムシー館 4パネル オルセー美術

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デコレーションパネル 1902年頃  トゥエンテ国立美術館

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デコレーション ドムシー館 7パネル オルセー美術館



男爵の爵位をもつドムシー家の装飾に使われたというデコレーション画です。ダイニングに、全部で15のパネルが装飾されました。1900年からはじまり、1901年10月に完成。炉上の棚の装飾など、ホイッスラーと同様に、「装飾」という領域にも才能をひろげています。1900年は、モーリス・ドニの構想画 「セザンヌ礼賛」にて、ナビ派の画家達に囲まれたルドンが描かれています。

デコレーション ドムシー 7パネル

上下のボーダー 
マーガレット ローズ(デイジー)のフリーゼ
フルール(花) フリーゼ 【べス(はめ絵)】

中央の細いパネル 
左:フィギュア ジョーヌ フルール(琥珀、黄色の花)
中:ジョーヌ  フリーゼ
右:フィギュア(ドムシー家のダイニングルーム)

中央の幅のあるパネル
左右:黄色の木の下

デコレーション ドムシー 4パネル

左上:ソルビエとマーガレット ローズ 【ベス(はめ絵)】
右上:小さな龍涎香のふくらみⅡ
左下:小さな龍涎香のふくらみⅠ
右下:マルガリータ

デコレーションパネル

デコレーション ドムシーではない作品です。所蔵はオランダの エンスヘデにある美術館ですが、デコレーション ドムシーという添え書きはありません。年代が、ドムシー家とおなじ頃に描かれています。



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昼 部分 1910~11年 フォンフロワード修道院図書館蔵

Redonkamerscherm03こちらから 「昼」と「夜」の全体像をどうぞ。(直りました)

あまりに大きかったので、何回かにわけてスキャンしているうちに、大きさや色、つぎめが微妙に変わってしまいました。あまりキレイに仕上げられませんでしたが、ご覧ください。

画像引用:アサヒグラフ別冊 西洋編 7
1989年3月号  p56~57


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夜 部分 1910~11年 フォンフロワード修道院図書館蔵



この「昼」と「夜」は、ギュスターヴ・ファイエが邸宅としたフォンフロワード修道院図書館の壁画です。一対の大作で、ルドンの「黒の時代」ともおもわれる「夜」には、ファイェ家の人々に、ゴーギャンの横顔とも言われている人と蝶が溶け込んだ図像。

RE+nessance 記事中のコメント紹介より引用
ゴーギャンと思われた横顔はセヴラック→フランスの作曲家

ルドン曰く
「夕べには、一日良い仕事をした満足のうちに床につき、あしたに目覚めれば、それは良識と分析の刻であって、あらゆる落ち度があらわになり、人はより良くしようとの希望とともに再び仕事にとりかかるのです。」

(アサヒグラフ別冊 西洋編 7 稲賀繁美氏 作品解説 p92~93から要約)

夜は夢想の世界に、昼は希望と仕事にとりかかる世界を、フォンフロワード修道院図書館のダイニングに描いたわけです。

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コメント

こうして、イロイロと見せていただいて、またちゃんとルドンを見直したいなと思いました。
いいですねえ、ルドン。オバケを描いていても平安な心持ちになれます、私は。KAFKAさんは違うんですね。
人間の実相を描いていると思うんですよ。根本というか。だから、強烈な郷愁を覚えます。

投稿: とーし | 2007年3月 8日 (木) 09時15分

>いいですねえ、ルドン。オバケを描いていても平安な心持ちになれます、私は。KAFKAさんは違うんですね。

爆笑!平気だよぅ~!

でもですね、ルドンって、こういうのも手がけてたの?っていう感動のほうが強いですね。

あの屏風ね、雑誌の広告だったのです。

これからも、雑誌の表紙裏や、裏表紙は要チェックだなと思いました。(笑)

それから、百貨店や専門店で届くはがきやカードなんかも、こういう作品があったのねというものが刷られていることも。これは、著作権があるので、掲載できないものですが、雑誌では引用とさせていただいてますので、時間があれば、スキャンしたいなと。

インドの詩やスピノザ哲学に感化されたようですよ。

スピノザ哲学って、なんだかよくわかりませんが、ヘーゲルが高く評価していて、スピノザ哲学でなければ哲学じゃない!なんて言っていたそうですが、ルドンは、哲学や詩に、深い造詣があったのですね。

ヴァイオリンも弾けるそうです。

しかも建築のお勉強もしていたようですよ。球体や立体の投射が役に立ったという記述があって、もしかして「目玉」のことかなぁと。

投稿: KAFKA | 2007年3月11日 (日) 23時33分

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