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2007年4月 4日 (水)

モーリス・ドニ ドニの中のドニ by KAFKA

モーリス・ドニ美術館 (ル・プリウレ美術館) (C) Musee departemental Maurice Denis-le Prieureナビ派のモーリス・ドニ。ここはもと修道院で、ドニのお屋敷でもありました。こ~んな素敵なところに住んでいたとは。

画像引用
モーリス・ドニ美術館 (ル・プリウレ美術館)
(C) Musee departemental Maurice Denis-le Prieure

2 bis, rue Maurice Denis - BP 5251
78175 - SAINT-GERMAIN-EN-LAYE Cedex

参考サイト:MMF マダム・ド・モンタランベールのミュゼ訪問

mariちゃんの記事にもありましたが、とても優しげな作品なので、「宗教画」としての認知をしていなかったとありますが、プリミティブな表現が、ドニの色彩によって、とってもファンタスティックな作品に見えるんです。

本当の作品から、色の配色をまざまざとみせつけられ、凄さを実感しました。

Symbolistes_et_nabismaurice_denis_et_son Symbolistes et Nabis MAURICE DENIS et son Temps

この表紙は、たぶん「六月の春」というタイトルだと思われます。

ロダンの彫刻には、同じタイトルのものがありますが、「永遠なる青春」とありました。

実は、この本は、まだ読んでいないのです。ですから詳しい解説は、解り次第追記していこうと思っています。

ポール・ゴーギャンの影響を受け、ルドンを我らのマラメルと呼ぶ、ナビ派は、ドニをはじめ、ピエール・ボナール 、エドゥアール・ヴュイヤール 、ポール・セリュジエ 、ポール・ランソン 、フェリックス・ヴァロットン 、ケル・グザヴィエ・ルーセル 、アリステッド・マイヨールらが活躍しました。

セザンヌ礼賛
こちらから、ナビ派の集団肖像画をみることができます。

セザンヌ礼賛のような作品から、プリミティブ風、前衛的、そしてファンタスティックな作品と、色彩の魔術師のドニの作品は、ナビの意 「預言者」のように、作品から信託を受けるようです。


永遠なる春 モーリス・ドニ美術館所蔵


永遠なる春 モーリス・ドニ美術館所蔵

この2枚、「永遠なる春」としましたが、実際のそれぞれのタイトルはわかりません。ただ、「永遠」ということを、いろんな角度から描いているようです。左の作品の生者の下には、死者がいるようですね。何か寓意的なものを感じます。


6月の春 モーリス・ドニ美術館所蔵


6月の春 モーリス・ドニ美術館所蔵

モーリス・ドニの作品に、「春」というタイトルは多いですね。あと「4月」とか。あの作品は、見ようによっては、秋にも見えますね。さて、この3枚は、1908年頃かと思われるのですが、一応 「?」 ということで。

ルネサンスの影響は、信仰のあついドニも影響を受けて、「受胎告知」も作品化しています。また、日本美術の影響も受けたとありました。


Vue_prise_de_fiesole_temps_froid_1907__c


寒入りのフィエーゾレの景色 1907年 個人所蔵

モーリス・ドニ 関連記事
*天国
*ピエタ
*バッカス祭
*セザンヌ礼賛 セザンヌの「果物鉢のある静物」、ドニの模写なども。
*エマオの晩餐
*受胎告知/壁画
*庭園を行く少女たち
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*アムール表紙/木の葉の階段
*無題 水彩リトグラフ/春景色
*アモール 12色石版画/木の葉の階段
*ゴーギャンの黄色いキリスト ドニの黄色いキリスト
*ドニ ポートレート/アムール リトグラフ/ 他リトグラフ
*モーリス・ドニ クピドとプシュケの物語 七つの作品
*習作 春の森/"Trestrignel"海岸の浜辺/緑の木/オルフェスとエウリュディケ(エウリディーチェ)
*ピロウとシンボルウス/デペシュトワ - トゥールーズ/エンジェル/マダム・ランソンと猫/春の森林/イースター・ミステリー

http://magnummasse.blogtribe.org/


Denis_300

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2007年4月 1日 (日)

ポール・ゴーギャン 月と六ペンス

Go_kafkaポール・ゴーギャン。

これまたKAFKAには、あまり縁のない画家です。特にタヒチでの作品は、私の好みは、 ごくごく限られています。

画家のプロフィールは、作品とは切り離して鑑賞します。この作家がどこで生まれ、こんな出来事があってという類は、作品とは、なんら関係がないからです。

ただ、時代背景や、当時の音楽、文学などから、その芸術家たちの横顔が見えることがある。そういうのが好きですね。

作家モームの「月と六ペンス」は、ポール・ゴーギャンの伝記からインスピレーションを得て作品化したところは、皆様もご存知でしょう。

昭和55年(中学校3年生頃)の新潮文庫の「月と六ペンス」は、ページも色褪せて読みにくく、新しい文庫でも買おうかな~と思ったら、並んでない・・・。

しかたないので、色褪せたページを必死に読み直しました。(笑) 小説の最後のほうに、こんなくだりがありました。

「僕のタヒチ出発の時が来た。島の美しい習慣として、知り合った人すべてから、椰子の葉からつくった手篭、バンダバスの扇といった心づくしの餞別を送られた。」(引用:新潮文庫 月と六ペンス 中野好夫 訳 p317)

扇といえば、1902年の「団扇を持つ女」では、美少女トホタウアが羽毛の団扇を手にしていますが、「テハアマナの先祖たち」で、テハアマナが手にしているのは、葉か植物からつくられたような、頑丈な扇。

モームの「島の美しい習慣として」とあるように、扇を持つテハアマナの背後には、先祖信仰を思い起こさせるような装飾を描いています。

Go

ゴーギャンの中のゴーギャンといえば、この1枚かな?最初の作品も好きですね。

先のは、1892年のタヒチ版イヴの「かぐわしき大地(テ・ナヴェ・ナヴェ・フェヌア」をもとにして描かれた点描の水彩画です。タヒチには、蛇が存在しないそうなので、イヴの耳元には、赤い羽根の蜥蜴が描かれているのです。タヒチに蛇がいないとは!

そして禁断の果実のかわりに、孔雀の羽をモチーフにした想像上の花を手にしています。これは、ノア・ノアにも、左右反対で、モノクロと彩色されたものがありますが、水彩の点描画が美しい。

画像をクリックしますと大きくなりますので、どうぞご覧くださいな。

そしてゴーギャンの中のゴーギャンは、「ジャワ女アンナ」(1894年)です。お猿さんがいますねぇ。ほんと、日本では、街中で、住民に被害を与えたりしているニュースを拝見しますが、当時のタヒチでは、動物との共存があったのでしょうか。ゴーギャンの作品だけをみると、この当時のタヒチは、裸で動物と暮らしていたのかと思うくらいです。

そのタヒチを主題にした作品は、タヒチの文化や文明の誤解を招くことは、なかったのでしょうか?それにしても、タヒチの作品はプリミティブな表現で、無垢な自然観が伝わってきますね。

さて「月と六ペンス」ですが、作品の中盤にかかるところ。

『しかもその頃、僕が夢中になっていたのは、印象派画家であり、本当に欲しかったのは、シスレー、ドガといったところだった。とりわけマネには心酔していた。僕にとっては、彼の「オランピア」こそ近代画壇最高の作品であり、また「草上の朝餐」などにも、どんなに深く心を動かされたことか。』(引用:新潮文庫 月と六ペンス 中野好夫 訳 p220)

モームの「月と六ペンス」は、ほんとうに面白い。実際にゴーギャンは、マネの「オランピア 模写」をしています。そして当時のマネの心酔は、ゴーギャンだけではありません。アンリ・ファンタン=ラトゥールの集団肖像画にも、マネ礼賛の様子が描かれていますし、ポール・セザンヌも「草上の昼食」、「オランピア」を模写ではなく、対抗して描いています。

草上の昼食(月と六ペンスでは草上の朝餐)
※カテゴリー草上の昼食↓
Edouard Manet 草上の昼食
マネのオマージュ セザンヌ 草上の昼食
ポール・ゴーギャン オランピア
ポール・セザンヌ オランピア
アンリ・ファンタン=ラトゥール  
※作品は「バティニョールのアトリエ」
リンクはずれてました。直しました。

今回の画像、文章の引用と要約

ゴーギャン―私の中の野性  著者:フランソワーズ カシャン 解説 高階秀爾 販売元:創元社 から引用しております。P84、P190からの引用です。作品解説は本書を参考にしています。

月と六ペンス  著者:サマセット・モーム,中野 好夫,William Somerset Maugham 販売元:新潮社から引用しております。文中にて引用箇所を表示しています。

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