マイセン メーリアンの花
マイセンの「FFブルーメ 最上級の花絵(ブルーメマーレライ)」といわれ、たとえば「メーリアンの花絵」といわれる女性博物学者マリア・ジビーラ・メーリアンの銅版画をモチーフに、限られたぺインターが描いた陶磁器絵を指します。
マリア・ジビーラ・メーリアンは、多くの博物誌を残していますが、古書は数百万という値打ちもの。(antiquariaatjunk/audubongalleries)
ですが、1990年代に出版されたお手ごろな洋書、ポスターなどからも、メーリアンの花と昆虫をみることができます。
マリア・ジビーラ・メーリアンは、スリラム(南米)の昆虫を観察記録していますが、その昆虫は、花や果実と一体になって描かれています。蝶、蛾、芋虫、蛇、蜘蛛などのほか、野鳥や小動物が主役。それがMetamorphosis insectorum surinamensiumシリーズです。18世紀の三大蝶譜とは、このメーリアン『スリナム産昆虫の変態』(1728年)、エーレト『花蝶珍種図録』(1748‐62年)、英国のハリス『オーレリアン』(1778年)を指しています。
Metamorphasibus Insectorum Surinamensium
マリア・ジビーラ・メーリアンに関する書籍ですが、アマゾンからも購入できます。「Ein Schmetterling aus Surinam.Die Kindheit der Maria Sibylla Merian」 by Ingrid Moeller (著) 、「Seidenraupe, Dschungelbluete. Die Lebensgeschichte der Maria Sibylla Merian.」 by Charlotte Kerner (著)などがあります。ここでは、女性の皆様がギョッとするような図譜は避けています。(笑)
メーリアンの書籍は、表紙がおなじであっても、タイトルをよく理解していませんと、内容に違いがでてきます。
彼女は、Neues Blumenbuch. Volume 1. 1675年、Neues Blumenbuch. Volume 2. 1677年、Neues Blumenbuch. Volume 3. 1677年、Der Raupen wunderbare Verwandlung und sonderbare Blumennahrung. 1679年、Metamorphosis insectorum Surinamensium. 1705 年と発表していますが、一番最初にポスターで紹介いたしましたのが、1705年のスリナムの花と生物。この作品の書籍は、必ず「Metamorphosis insectorum Surinamensium」のタイトルです。あまり昆虫が目立たない作品が多いのは、「Neues Blumenbuch」です。
その違いがわかるサイトがあります。Maria Sibylla Merian1647-1717 のテキストに、それぞれリンクされています。
Maria Sibylla Merian1647-1717 より
"Neues Blumenbuch" 21種類ありました。 タイトル
"Metamorphosis insectorum Surinamensium" 65種類ほど タイトル
"Der Raupen wunderbare Verwandlung und sonderbare Blumennahrung" 14種類 タイトル
さて、このメーリアンの切手は、U.S. post で発行されました。そういえば、酒井抱一の切手も今月の3日でしたか?シンガポールの花といっしょに発行されましたね。8月にBuleMoonさんが、記事にしていました。日本の切手 Stamp of Japan で、その抱一の切手と屏風のディティールが見比べられ、2種類の四季花鳥図屏風はnaoさんの記事でアップされています。ケースつきの切手の全体像はこちら。
メーリアンの花は、マイセンだけではなく、 ベルリンK.P.Mなどの窯でも、ひろく使用されています。リヒターポーセレンも、ドイツ・ヘキスト社もメーリアンのシリーズがありました。マイセンでは、メーリアンのほか、マルコニーニの花も歴代図案ですが、とてもわかりやすい図案です。マルコニーニの時代は、1774-1814年であったので、1675年以降から1774年あたりまでは、メーリアンの花が頻繁に使用されたのではないでしょうか。
こちらは、マイセン 1750年のブルーメマーレライです。マルコリーニ期(1775~1814)以前のものです。
メーリアンの花では、手描きした花瓶などもあります。たいてい、おもてはブーケで、うらにスリナム産昆が描かれています。ティー、モカ、コーヒーカップなども、面とウラは、花瓶同様です。
このブルーメマーレライのプレートは、とても可憐です。ここには蝶が描かれていないのが残念です。
いわゆるボタニカルの図譜は、ヨハン・フリードリヒ・エーバーラインも手がけていました。「ブリュール (ッ)シェ・アラライ」というシリーズです。こちらからご覧くださいな。
最後ですが、こちらがマリア・ジビーラ・メーリアンのマイセンです。とってもいきいきと描かれています。
マイセンのメーリアンの作品は、会員だけのオークションか、美術館です。また、マイセンの限定品がありますが、50、100の単位です。(世界で)
この図柄は、ウィッカと蝶です。ウィッカってとてもきれいな花なのですが、ハーブなんですね。つまり、古くから民俗療法として用いられてきたのですが、魔女の呼び名でもありましたよね。Wiccaです。
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