老松孔雀図 若冲名画集 1904年から
こちらが、「A White Peacock under a Pine-tree」の老松孔雀図です。三の丸尚蔵館の動植綵絵 「花鳥―愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>」 で、第5期に展示されますが、若冲のエロティシズムには、孔雀図がよく取り上げられているようです。
若冲の描き方、作風には、シノワズリやアールヌヴォーを感じさせるものもあり、一般的によく紹介されている画風だけではありません。写生画家といわれる若冲にしては、ロマンティシズムを感じさせる老松孔雀図ですが、やはり独特の濃密さ。
極彩色の花鳥画で、「秋暉の孔雀」と呼ばれる岡本秋暉も特異な趣です。「若冲 の鶏」 「光起の鶉」 「狙仙の猿」と並びますが、この四天王は、いずれも「特異な趣」とされています。
エゴン・シーレやバルテュスの人物描写のように、普段隠しておきたい裸体や性の特色をリアルに描くごとく、隠しておきたい人間の感情や官能を、動植物に譬えているような「凄み」を「特異な趣」としてみる素人の私でした。
さて、こちらが伊藤若冲の動植綵絵の作品集です。田島志一編「Masterpieces by Jakuchu 」といいます。 日本では、『若冲名画集』 (関西写真製版印刷) 明治37年(1904年)10月に出版されました。肉筆画になります。
光琳の「Masterpieces Selected from the Korin School」のほか、北斎なども同様に、編纂しています。
この若冲名画集は、三の丸尚蔵館 動植綵絵であり、リストは英語のタイトルですが、群魚図 <蛸> 、群魚図 <鯛>はどちちらも「Fishes」です。群鶏図は「Cocks and Hens」、蓮池遊魚図は、「Lotus-flowers and Plecoglossus altivelis」なんだ~とひとり納得いたしました。
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