2012年6月 8日 (金)

本を読む少女

James Charles

ジェームズ・ チャールズ(James Charles 1851 - 1906)の「読んでいる」(本を読む少女)です。フローレンス・フラーの「離せない」(本を読む少女)はヴィクトリア朝の雰囲気もあって、その作品も好きです。

受胎告知で聖母マリアが聖書を手にしている場面が描かれているところから、「本を読む女」の主題は永遠なのかもしれません。

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2011年12月18日 (日)

エマ・トムセンの花

A bird's nest hidden between bindweed and roses by Emma Thomsen 1857 bruun-rasmussen

ヒューゴ・シンベリヴィルヘルム・ハンマースホイハラルドとアグネス・スロット=モラーに続いて、北欧の画家エマ・トムセンの作品。

花の作品はもう一枚こちらの記事でご覧いただけます。
デンマークの画家 エマ・トムセン

とっても神話を想像させるような色使いと描き方にうっとりします。この作品はオークションハウスのブルン・ラズムーセンに出品されている「昼顔と薔薇に隠れた鳥の巣」(1854)です。

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2011年12月15日 (木)

デンマークの画家 ハラルド・スロット=モラー(Harald Slott-Møller)

Harald Slott-Møller: Foråret. 1896 Hirschsprungske

ハラルド・スロット=モラー 春  1896

ハンマースホイピーター・イルステズと同じ時代、同じデンマークで活躍した画家のハラルド・スロット=モラーです。

少女のまわりにいる鳥は「春告鳥」だと思われます。ハンマースホイの「読書する若い男のいる室内」 と同じく、ヒヤシュプルング美術館所蔵です。

妻で女流画家のアグネスと同様に、作品の額縁もハラルド自身が創作したものではないかと思いました。

この二人のカップルの作品はXAIからリンクしています。
XAI  デンマークの画家 アグネス・スロット=モラーと夫ハラルド

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2011年12月12日 (月)

ピーダ・イルステズ ( Peter Ilsted )

Peter Vilhelm Ilsted - Girl Reading a Letter in an Interior

ピーダ・イルステズ  本を読む少女 1908 個人所蔵

sweetさんがアップした「ハンマースホイ 鏡のある室内」に登場するコンソールと鏡。 ピーダ・イルステズ は、ハンマースホイの妻イーダの兄でしたね。

版画家で、絵画作品はハンマースホイ同様に室内画が多く、二人が結婚した1891年以降は、ハンマースホイの影響が強い作品も残していますよね。

Peter Vilhelm Ilsted - Sunshine in an Interior 1920

ピーダ・イルステズ  室内の陽光 1920 カラーメゾチント

左手前に椅子が描かれている作品は「室内の陽光」とタイトルがかわります。私が持っている古い本にはこの作品画像の版画が紹介され、特に左側を削っているわけではありませんでしたが・・・。

Peter Vilhelm Ilsted - Sunshine in an Interior

ピーダ・イルステズ  室内の陽光 カラーメゾチント 復刻版

最近の復刻版の版画は、「本を読む少女」と同じ構図で、しっかり椅子が描かれていました。あれー・・・。


Young Girl by a Semi-Circular Table

ピーダ・イルステズ  半円形のテーブルの若い女性 カラーメゾチント

Vilhelm Hammershoi Hvile también llamado el Descanso 1905 museo de Orsay

ハンマースホイ  休息 1905 オルセー美術館所蔵


ピーダ・イルステズ ( Peter Ilsted )は、ハンマースホイには見られなかった子供の登場する作品も多く残しています。

A LITTLE GIRL WITH A FLAT CAP

ピーダ・イルステズ  フラット帽と少女 1924 カラーメゾチント

Girl in an interior 1904

ピーダ・イルステズ  室内の少女 1904 個人所蔵

ピーダ・イルステズ  室内 1904 個人所蔵

ピーダ・イルステズは、「青い室内」を2枚描き、1枚には少女を、もう1枚は誰もいない室内の作品を残したようです。

Anna_ancher

アンナ・アーカー(Anna Ancher)  陽光の差す青い部屋 1891

ハンマースホイの影響を受けた画家と聞きますが、そういった作品のほかに、この「青い室内」は、アナ・アンカー(アンナ・アンカー)の作品を思い出しました。


ピーダ・イルステズ の作品の中には、白黒の影絵のような画中画が描かれています。それも彼のオリジナル性も感じ、特に「フラット帽と少女」では、このあとの時代のアメリカの画家ノーマン・ロックウェル(Norman Rockwell、 1894 - 1978)を想像させてくれました。


Little Girl by a Pillar at Liselund

ピーダ・イルステズ  リーセロンの柱の少女 1920 カラーメゾチント


Iconkafka

(C)XAI  「Vilhelm Hammershøi ヴィルヘルム・ハンマースホイ
管理人の許可済みです。ハンマースホイの各記事にリンクしてます


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2011年11月22日 (火)

ヒューゴ・シンベリ ヘルシンキ美術館


Hugo_simberg_kuutamomaisema

ヒューゴ・シンベリ 景観 (Kuutamomaisema)
ヨースター・ベッカーコレクション ヘルシンキ美術館


ヒューゴ・シンベリといえば「傷ついた天使」が有名ですが、kafkaはそれが2枚あることを知りませんでした。フィンランドのヘルシンキにあるアテネウム美術館とタンペレ大聖堂フレスコ画。

XAI ヒューゴ・シンベリ 傷ついた天使

かわいい人間以外の生き物を描いているものに「悪魔」がいますが、本当はフィンランド神話に登場する神や小妖精じゃないかなと思うようになりました。

今回の作品は「Kuutamomaisema」というタイトルですが、KAFKAでは「景観」としました。フィンランドの作品に多いタイトルで、月光に照らされる花、湖、森が描かれる画。

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2011年11月13日 (日)

ロジェ・ブゾンブ 静物画

Rogerbezombeslurnenoire

ロジェ・ブゾンブ(1913 - 1994)の静物画「黒い花瓶」です。メトロポリタンオペラハウス(メトロポリタン歌劇場)の装飾でも有名なフランスの画家。

ロジェ・ブゾンブ関連記事 下記から作品記事にリンクしてます!
XAI 「ロジェ・ブゾンブ ハーレム」からいろんな作品を見てくださいね

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2011年11月 2日 (水)

モーリス・ドニ ゼラニウム

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モーリス・ドニ ゼラニウム 1890-92 Sotheby's

モーリス・ドニに珍しい静物画。サザビーズで出品されている1枚。セザンヌの「花瓶のチューリップ」とおなじくらい好きな1枚。

モーリス・ドニ 作品記事リンクはこちら
XAI 「モーリス・ドニ 塔の花嫁(塔の姫君) ペレアスとメリザンドからマレーヌ姫

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2011年10月12日 (水)

ポール・セザンヌ チューリップ

Tulips_in_a_vase

ポール・セザンヌの「花瓶のチューリップ」(Tulips in a Vase 1888-90)は、ノートン・サイモン美術館(Norton Simon Museum)所蔵の1枚です。

SAI が、バーンズ財団美術館の展示室別に作品を紹介した大作記事に、セザンヌの作品がたくさんありました。

記事 バーンズ・コレクション 1 THE BARNES FOUNDATION (Opening on May 19, 2012)
記事 バーンズ・コレクション 2 THE BARNES FOUNDATION

セザンヌやルノワールよりも、マティスやルソーの所蔵品に、釘付けになっちゃった。セザンヌは、私にとっては、セザンヌという画家の作品ではなく、限られた作品に関心があるようです。

以前にご紹介したセザンヌの四季は、その限られた作品のひとつ。

記事 ポール・セザンヌ  春・夏・秋・冬

とってもセザンヌの楽しい人柄が伝わる作品なんですよ!

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2011年1月19日 (水)

ルネ・マグリット ファンタスティック

Magrittela_femme_assise_la_place__2

La Femme assise. La Place au Soleil III 1956年

Lamateur_de_coquillages_1952

L'amateur de coquillages 1952年

Les_reflets_du_temps_or_composition

Les Reflets du temps or Composition with clock, sky and forest 1928年

ルネ・マグリットの全作品が好きなわけではありませんが、alei くんと今日は図書館で会って、記事をアップするというので、Gonconda, 1953 をKAFKAアップしようと思ったんです。

それしか知らなかったので。(あとプリマヴェーラとかレカミエ夫人の椅子も知ってました!)

でも、場所は図書館。いろいろ調べてみました。ネットで検索してみたら、意外に好きなものがあったので、こちらをご紹介。

どうですか?

alei の別ブログの記事 こちらも「ルネ・マグリット 臨床医」 は見ごたえあり!(ふたつ、記事書いたんだね!)

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2010年6月 7日 (月)

ギュスターヴ・モロー ヘシオドスとミューズ、そして声

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ギュスターヴ・モロー 声 Voice

モロー美術館所蔵


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ギュスターヴ・モロー 声 Voice

1867 ティッセン ボルネミッサ美術館


Hesiode_et_la_muse1891kafka

ギュスターヴ・モロー ヘシオドスとミューズ

Hésiode et la Muse 1891 オルセー美術館


Hesiode_le_soirmatin_linspiration

ギュスターヴ・モロー ヘシオドス オルフェウスと夕べ

Hesiode. Le soirMatin. L'Inspiration .モロー美術館

こちらに関してはKAFkA過去記事、REMOVEの記事から解説をご覧ください。

KAFKA ギュスターヴ・モロー人類の生から

REMOVE ギュスターヴ・モロー多翼祭壇画「人類の生」 


Hsiode_et_la_muse_kafka

ギュスターヴ・モロー ヘシオドスとミューズ

Hésiode et la Muse 1870 モロー美術館

Hsiode_et_les_muses_kafka

ギュスターヴ・モロー ヘシオドスとミューズたち

Hésiode et la Muses c.1860 モロー美術館

Hesiod_et_la_muse_1857_germain_seli

ギュスターヴ・モロー ヘシオドスとミューズ

Hésiode et la Muse 1857 ジェルマン・セグリマン コレクション


Hesiod_and_the_muse_1858the_nationa

ギュスターヴ・モロー ヘシオドスとミューズ

Hésiode et la Muse 1858 カナダ国立美術館


Hesiode_et_la_musekafka

ギュスターヴ・モロー ヘシオドスとミューズたち 

Hésiode et la Muses c.1860 モロー美術館


ギュスターブ・モロー関連記事はこちらから

XAI 「キマイラたち 悪魔的なデカメロン

各作品記事にリンクしているほか、一般的に掲載されているフォッグ美術館所蔵「キマイラ」の作品画像に比べて、とくにオリジナルに近い作品画像もご覧いただけますよ。


ギュスターヴ・モローは、1886年の「人類の生」で、ヘシオドスの「労働と日々」から三場面にわけて描いています。

ヘシオドスといえば「神統記」!が有名ですけど、古代ギリシャの叙事詩人ヘシオドスは、羊飼いの時代に、突然にムーサが詩人としての才能をヘシオドスに与えたという逸話がありますが、その場面をモローは描いているのでしょう。

さて「声」ですが、とても「ヘシオドスとミューズ」に似ています。モロー美術館所蔵の「声」は胸のふくらみからいって女性のよう。

モローはアンドロギュノス化した男女を描くこともあり、女性らしいのに男性性器を描いたりしています。

とくにモローはオルフェウスのほかに「サッフォー(サッポー)」もよく描いていますよね。声の主をムーサ、ミューズと考えると、詩人はサッフォーを描いたのかもしれません。


ギュスターヴ・モロー 夕べの声(夕べの声々)


Les_voix_du_soir

ギュスターヴ・モロー 夕べの声々
Les Voix du soir モロー美術館

この三人はアグライアー、エウプロシュネー、タレイアです。そう、「三美神」なんですね。でもタイトルは「夕べの声」で、三美神をしめす「カリス」や「グレイシス」とはありません。

アフロディーテの従者となるまえは、「オリュンポス山の山頂に住み、神々の宴ではアポローンの竪琴やムーサたちの歌声と共に演舞した(wiki引用)」とありましたが、KAFKA過去記事で「人類の生」にある「夕べと苦しみ」を紹介しています。

そこにwankoさんの記事「夕べと苦しみ」にリンクもしていますが、調べてみると詩人ポール・ブールジェの「夕べ」という擬人化は、「眠りにつこうとしてることに耳をかたむけさせる」ともありました。

モローは「声」というタイトルに何を象徴したかったのか気になるところです。やはり詩人、音楽そうした芸術なのでしょうか。


Etude_en_rapport_avec_les_voix_sain

ギュスターヴ・モロー 声(聖セバスチャン)

Les Voix (Saint Sébastien) モロー美術館

習作の聖セバスチャンは、「声」というタイトルがつけられています。こうしていろんな作品を鑑賞してみると、隠れた作品から、意外な作品とのタイトルの共通点や、同じ作品のように描かれていてもタイトルは違ったりと、モローの夢のかけらが見えてきますね。

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